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奈良の女性専用指圧整体院

奈良の女性専用指圧整体院

ならまちの猿沢池近くの路地裏で

築100年を超える古民家の物件と出会ったときに

私が思ったことは、女性たちが集い

お互いに話し、笑い、泣き

辛いこともも悲しい想いも

共に担い、お互いに支えあう

女性同士の連帯の中で

癒し癒される空間がここにできるのではないかという想いでした。

 

私はその時まだ按摩マッサージ指圧師、鍼灸師になったばかり

40歳を越えてからその専門学校に入学し

国家試験に合格して2年目というときだったので

当然、開業するなら鍼灸院と

「女性臨床鍼灸ならまち月燈」を開院しました。

 

同級生と2人で開業したこの院は

有難いことに、今年で5年目を迎え

今では5人の女性鍼灸師が曜日担当としてフルタイムで診ていて

それぞれがひと月先の予約枠までいっぱいになるほど

女性の厚い支持を受ける場となりました。

 

私自身のコースでいうと

鍼灸指圧マッサージコースをうたっていて

50分の枠の中で鍼もお灸も指圧もマッサージもと

大変欲張ったコースになっています。

 

他の先生方は、その信念に基づいて

刺す鍼がメインであったり刺さない鍼がメインだったり

鍼数が多かったり少なかったりと

同じ鍼灸師というくくりにありながら

同じ患者さんにも全く違うアプローチになることが普通です。

 

それは女性鍼灸師同士が場所をシェアしているからこそなせる業で

日本中を探しても、あまりこういう鍼灸院はないのではないかと思います。

「女性臨床鍼灸ならまち月燈」は私が作った場ではありますが

私自身の手を離れても、同じ考えを共有する女性鍼灸師によって

安心して運営してもらえる場となってきました。

 

そうなった今、しきりに思うのは

私のアイデンティティは鍼灸師にはないということです。

私は患者さんとの場において

鍼もお灸も使いますが

メインの施術は指圧です。

指圧と手掌圧によって患者さんに触れているときが

一番、患者さんと交わっていると感じますし

はじめは鍼灸治療を求めてきてくださる方でも

指圧だけの治療にしてほしいと仰ることが

増えてきました。

 

按摩マッサージ指圧師という国家資格は

鍼灸師と同じ資格要件が必要なのに

その絶対数が少ないせいなのか

認知度が低く、ここにきて初めて指圧を受けた

という方が少なくありません。

 

指圧というと

50代の私世代がかろうじて知っているかどうか

微妙なラインだと思いますが

浪越徳治郎氏の

「指圧の心は母心、押せば命の泉湧く」

という言葉が有名で

東京には浪越学園日本指圧専門学校があり

その卒業生が指圧師として活躍されているものと思われます。

が、関西では指圧師や指圧院を名乗る人も治療院も

鍼灸院に比べると圧倒的に少ないです。

 

 

按摩と指圧とマッサージは

それぞれ発祥も技術も全く違うものであるということを

私自身も初めて専門学校に入学して知りました。

 

私が卒業した専門学校では

鍼、お灸、按摩、マッサージ、指圧の5種の実技の授業が行われ

その中で私が一番楽しみにし、また効果を実感し

家族に試して喜ばれるのが指圧でした。

 

その指導者が関西伝統指圧協会の吉岡祐三郎先生でした。

関西伝統指圧とは大阪指圧師会から独立分派したものだったようです。

私が授業でお目にかかった時は既に80歳間近の

先生の最晩年にあたる時代でしたが

仙人のようないでたちに気魄こもる手技

圧倒的な存在感でした。

 

一目でその存在に魅惑されたものの

その技術は途方もなく難しく

3年間ではとてもとても指圧師を名乗ることなどできませんでした。

先生はもちろん男性ですし、対象も男性

心酔して先生のもとに通うのも男性

関西伝統指圧というのは

カイロプラクティックやオステオパシーといった

外来の技術も統合した力技といってもいいような大技も多く含むので

非力な女性には不利という言い訳もあります。

 

でも、卒業後女性専門の治療院で施術を続けていて

そのような大技を使わなくても

基本の技術だけで十分だし事足りるし

むしろ基本を忠実に繰り返すことこそ

指圧の奥義に近づく道と思うようになりました。

 

「女性臨床鍼灸ならまち月燈」を開院するときに

このジェンダーフリーの時代に

なぜ女性専門の治療院と問われたこともありましたが

理由の一つに

男性と女性では体構造が異なる

と思うことが多いということがあります。

 

~女は人間の男より、虎のメスに比べる方がずっと構造的には似ている。

似ているのは運動系の構造ぐらいのもので

体構造の全体からいえば女は人間の男より虎のメスの方に近い~

整体入門 野口晴哉

 

心の師、野口先生のおっしゃる通りと

臨床の場で思うことが多く女性専門に診てきたからこそ

わかってくることも多かったのです。

 

私が指や手掌で押圧するときに

氣は私から患者さんへの一方向に流れているわけではありません。

患者さんが発している氣、戻ってくる氣

双方向、または全方向からの氣の交流があります。

 

女性同士だからこそ

氣を許してお身体を預けていただける利点もあります。

お身体が少しでも緊張を残していると

ツボが開きません。

男性指圧師よりも有利なのはそこだと思います。

 

私は女性指圧師を名乗ろう。

そう思ったときに今度は国家資格が足枷になりました。

 

按摩マッサージ指圧師の施術には医師の許認可があれば

保険が適用になりますし、

医師の許認可がなくても治療費は医療費の控除になります。

「女性臨床鍼灸ならまち月燈」では

病気の治療にご来院されている方に関しては

医療費控除の対象として領収証をお渡ししています。

 

しかし、予防や未病の治療、健康促進のためのものは

医療費控除が認められません。

 

私が「奈良女子養生舎」でしたいことは

その名の通り、女性の養生のための学び舎です。

予防や健康促進、女性の養生のためにこそ指圧を役立てる

にはどうしたらいいのか。

 

私自身が指圧を施術できる人数は限られています。

もう既に既存の枠はいっぱいです。

指圧を教える?

私が?

自慢ではありませんが、指圧愛は人一倍強いものの

学生時代の指圧実技の成績は全く奮いませんでした。

私が指圧を教えるなんて

母校の先生に恥ずかしくて報告できません。

ではどうすれば・・・

 

で次回に続きます。